通常、ハンディターミナルの収集データファイルは、通信ユニット(パソコンとケーブルでつなぐ通信クレードル)を介してパソコンへファイル送信されます。また、プログラム中から参照する情報(マスタファイル)を、事前にパソコンからファイル受信しておくことが出来ます。
これらの機能は「ファイル転送」と呼ばれ、ファイルをパソコンとの間で受け渡すための基本機能です。転送されるファイルは、メーカー独自か汎用のプロトコルによって転送されますが、ハンディターミナル側には専用のコマンドが用意され、パソコン側にも通信用のDLLなどが準備されていますので、通信プロトコルを熟知することなくファイル転送を実現できます。
もうひとつ比較的新しい方式のファイル転送としては、無線LANタイプの機種や、有線LAN対応の通信ユニットを使用してFTPサーバーとのファイル転送を実現する機能があります。
前回のファイル入出力において、大容量のマスタファイルで運用することには問題があると書きました。それはマスタファイルのダウンロード時間の問題です。通信ユニットなどを介した通信では、ハンディターミナルと通信ユニット間がIrDAですので速度に限界があり、大きなファイルになると数分から十数分かかる場合があります。1台であれば問題ありませんが、例えばハンディターミナルが10台で通信ユニットが1台とすると、1台あたり3分だとしても、毎朝30分かけてマスタ更新なんてことに・・・。
このように、頻繁に更新される大容量のマスタファイルで運用する場合には、通信ユニットを複数台用意するなどの対策が必要になります。一番良いのは、無線LANタイプのハンディターミナルを採用し、無線LANを使ってFTPサーバーからマスタファイルをダウンロードする方法です。無線LANであれば速度も速いですし、複数のハンディターミナルで同時にダウンロードすることも出来ます。無線LANタイプはリアルタイム処理への対応だけでなく、このようなバッチ運用の場合にも採用を検討する必要があるでしょう。
さて、10回にわたってハンディターミナルの基本機能について解説してきました。
(1)バーコードを読み取って、
(2)数量を入力して、
(3)その結果をファイルに保存して、
(4) (1)〜(3)を繰り返して、
(5)最後にパソコンへファイル送信。
ざっと言ってしまうと今回の内容は、このような流れになります。
今回のお話は「ハンディターミナルを使って何ができるのか」ということではなく、「ハンディターミナルにはどんな機能があるのか」ということをベースに記載したので少々理解しづらいものだったと思います。今回の内容については、今後もいろいろな角度から記事にしていきたいと思いますので、あわてずのんびりと理解していってください。